マリー

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 ヨレヨレなのはニシカワがぞんざいに扱ったからではなく、不器用な私が何度も試行錯誤したからです。 「私にはお嬢様のお側近くお仕えするが一番の幸せですので、お役目、戻していただければ嬉しいのですが……」  惚れた弱みに付け入るなんて、最低の執事です。  こんなコロシ文句に、誰が引っかかるか。  とりあえず、歩いて帰る気分では無いのでマリーに乗りました。 「それ期限切れてるから」 「いいえ、裏に“むきげん”と書いてあります」 「細かっ!」  ムカつく。絶対その気にさせてやるから覚えとけ、ヘタレメガネ。 「マリー」 了
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