*13* 風穴

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こんなことなら、いっそ、もう好きじゃないって、嫌いになったって―― そう言われた方がマシだった。 ぐぅぅ…。 お腹が、空腹を告げる。 私はベッドの上に起き上がった。 スマホの壁紙を見ると、もうとっくに昼時を過ぎていた。 「もう、こんな時間なんだ…」 ずっとベッドに潜って感傷に浸ってたから、時間が流れていることに気づかなかった。 大切だった人が、唯織くんが日常からいなくなっても、時間は流れていく。 日々は過ぎていく。 今が夏休みでよかった。 たっぷりと感傷に浸れるもんね。 スマホで、“失恋 忘れ方”で調べたら、ネットには“泣いて泣いて泣きまくれ”って書いてあったし、そういう時間が作れるのはありがたいかもしれない。 中学生の時の私に教えてあげたい。 高校生になったらカレシができて、毎日バラ色なんだろうなんて考えてた、甘っちょろい私に――。
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