Chapter.1

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【04】  窓の外には星空が広がっている。 進夢は鬱屈した気持ちで眺めた。 まだトグル星には着かないらしい。 「進夢さま?どうかなさいましたか?」 「別に」 もう抵抗する気は失せていた。 騒ごうものならティルカが泣き出す。 もう二度と地球へは帰れない。 確かにぬるま湯の様な日常から 離れたいと思っていた。 しかし、 実はぬるま湯こそが心地良かったのだ。 “退屈は心の毒である”。 しかし、“薬は身の毒にもなり得る”。 そんな教訓も、広大な宇宙空間では 誰にも届かないのであった。
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