19人が本棚に入れています
本棚に追加
「拉致…だと…?まさか、お前は叔父上の差金か?」
「いや、誰の差金でもないわ。あたしはあなたに用があるの」
「俺、いや、私に用だと?」
「俺、でいいわよ、レッド(笑)」
街での通り名で呼ばれてギョッとする
見知った顔かと思いしげしげと眺めるが、リリーと名乗る女は茶色の髪に茶色の瞳…よく見れば整ってはいるものの、特徴らしい特徴のない顔立ちをしている
色街の女ではなさそうだし、宮廷でも見かけた事は…多分ない。例えば洗濯女に紛れていてもわからないだろうし、着飾らせて貴婦人として紹介されても違和感はないだろう
最初のコメントを投稿しよう!