レッド

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「拉致…だと…?まさか、お前は叔父上の差金か?」 「いや、誰の差金でもないわ。あたしはあなたに用があるの」 「俺、いや、私に用だと?」 「俺、でいいわよ、レッド(笑)」 街での通り名で呼ばれてギョッとする 見知った顔かと思いしげしげと眺めるが、リリーと名乗る女は茶色の髪に茶色の瞳…よく見れば整ってはいるものの、特徴らしい特徴のない顔立ちをしている 色街の女ではなさそうだし、宮廷でも見かけた事は…多分ない。例えば洗濯女に紛れていてもわからないだろうし、着飾らせて貴婦人として紹介されても違和感はないだろう
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