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「姉ちゃん、来てみたけどさっぱりだよ」 姉ちゃんが現れてすぐに助けを求めた。申し訳なさそうな顔をして手を合わせた。恐らく前に伝えきれなかったことを謝っているのかな?別に気にしないのに…… すると今度は何かの音が聞こえてきた。かなり短い音が何回も聞こえた来た。次第にそれははっきりと言葉に聞こえた。 "フロント" そう姉ちゃんの声ではっきりと聞こえた。しかし姉ちゃんの口は動いてなかった。恐らくテレパシーみたいなものを使ったんだな。 しかしそれだけではどこのフロントかはわからないから俺は姉に聞き返した 「この旅館の?」 姉はうんと頷いた。 「わかった!!」 そう返すと姉は消え、旅館の布団で目を覚ました。 俺はすぐにフロントに行った。しかしなんて言えばいい? 悩んでいると、オーナーと思われる男の人に声をかけられた。 「すみません。門田梨子様の弟の俊樹様でよろしいでしょうか?」 姉の名前を出されびっくりした。なんで赤の他人が5年前に死んだ人間とその家族を知っているんだ? 俺はかなり困惑した 「門田梨子様からご連絡を頂きまして……」 オーナーの話はこうだった。数日前、電話で落とし物の問い合わせがあったが、その日は特に落とし物や忘れ物はなかった。念入りに調べてくれと頼まれ探して見ると見つかったというのだ 「それで俊樹様が来るとのことでしたので」 「よく僕が門田俊樹だとわかりましたね」 「特徴は口頭で伝えられましたがので」 なるほど。 「そして、落とし物がこれになります」
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