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「じゃあ、食べましょうか。いただきます」
「「いただきます」」
父の合図で俺達も食べ始める。
うん、やっぱり1日置いたカレーは良いよな。福神漬とよく合う。
「あぁ、美味しいな。俺、久しぶりに手作りのカレー食べた」
桝田さんは福神漬を皿の端に置いてちょっとずつカレーと一緒に食べるタイプらしい。
俺はバラバラーってする。
「良かったです。いつもは自分で作ってるんですか?あ、それとも奥さんとか、、」
「いや、俺結婚してないから自炊だよ。って言っても炒め物全般に味噌汁くらいしか作らなくてさ」
「あ、そうなんですね。でも炒め物と味噌汁作れれば生きていけるから大丈夫ですよ」
「まぁ、でもやっぱり凝った手料理は時々でもいいから食べたくなるな。有史は作らないのか?」
それまで俺達の話を聞きながらカレーを黙々と食べていた父は、桝田さんに質問されてハッと顔を上げた。それから目を右往左往している。
多分作れないことを誤魔化したいんだろう。だけど俺がいるから安易に嘘がつけない。
俺はそんな父がどうするのか見ていた。
「えーっと、、俺は、ちょっっ、、となら。はい。」
終わりか!
まぁ、1人で一品は作れないからな。
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