1death 廃ホテル

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1death 廃ホテル

 場の支配者が一転する圧倒的な暴力──彼の動きは、人間からかけ離れている様に思えた。  それはまさに獣。  アクロバティックに空間を跋扈し、急所を見極めては素早く死角から仕留める。 「……カジカ、終わった、ぜ」  獲物を狩り尽してうっそりと笑う彼は、真っ赤な首輪を指先で弄び悠々とこちらへ歩んでくる。  俺は飼い犬を自認する彼の正体が、狂犬に思えてならなかった。 d2ee6585-123f-4e29-9555-b32c13fab5dc
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