親子でケーキ屋さんを始めました

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1.ケーキ屋 私のお名前は胡桃マドカ(クルミマドカ)。 年齢16歳で家業の手伝いをしています。 家業というのはケーキ屋を母親と一緒に 営んでいます。 母親の名前は胡桃真矢(クルミマヤ)。 年齢36歳でケーキ屋の店主をしています。 ケーキ自体はパティシエの人が作ってくれて 私達親子は販売に専念しています。 今日も絶賛ケーキ屋は営業中である。 「マドカ、こっちのお手伝いお願い」 「は~い」 お店が忙しくなってきた。 母さんが一人で今まで会計とケーキ箱にケーキを入れてきた。 それもお客さんが増えてきて大変になってきたので私は 会計に回ることにした。 私が会計に回ると母さんはケーキ箱にケーキを入れる事に専念できる。 私と母さんが二人で販売に専念できるのはパティシエを雇っているおかげでもある。 本当にパティシエの人には感謝しないといけない。 お客さんがだんだんと少なくなってきた。 残りのケーキもわずかだった。 完売まで頑張らないといけないよね。 私がお店の外に出て宣伝を始める。 「美味しいケーキですよ、いかがですか~」 宣伝をしているとお客さんがお店の中に入っていく。 お客さんはケーキを手に持ってお店の中から出てきた。 私はお客さんに向かって 「お買い上げありがとうございました」 と言った。 お客さんは満足そうにしていた。 それにしてもまだこのケーキ屋は創業して一年も経ってないのにここまで売れるケーキ屋に なるとは私も母さんも考えていなかった。 本当に驚いている。 これはきっとみんなのおかげだよね。 私はお店の中に戻ることにした。 そうすると母さんが 「マドカ、いつもお手伝いありがとうね」 「ううん、母さんこそ、いつもありがとう」 「本当は学校に通いたいのよね」 「学校に通いたいけど、母さんのお手伝いするのも楽しいよ」 私はマドカの言葉を聞くと泣きそうになるけど、堪えないといけないわ。 マドカはまだ16歳だから普通なら学校に通っている。 でも、それをしないで私がケーキ屋を営んでいるからお手伝いをしてくれてる。 マドカには本当に感謝しないといけないわ。 今度、マドカと一緒にお休みをとってどこか行こうかな。 きっとマドカも喜んでくれるに違いない。 さてとお店の営業時間もそろそろ終わりだし、お片づけしてお店を閉じないとね。 「マドカ、今日はありがとうね、もうあがっていいわ」 「うん、わかった、母さんも無理しないでね」 「心配してくれてありがとうね」 私は本当に良い娘をもてて幸せ……。 マドカはあがって家に帰った。 私は残りのお仕事を終わらせないと家には帰れない。 さっさと終わらせて家に帰る事にしましょう。 私は母さんより先にあがって家に帰ってきている。 ケーキ屋から家までは近い。 そんなに移動にはお時間はかからない。 学校かぁ……。 通いたいけど、私の我が儘でせいで母さんにご迷惑をかけたくない。 それにケーキ屋のお手伝いしていると母さんの負担も減るから私は嬉しかった。 これからも私はケーキ屋のお手伝いをする事を心の中で誓った。 しばらくすると母さんが帰ってきた。 「母さんお帰りなさい」 「ただいま、マドカ」 「母さん、大丈夫? 無理してないよね?」 「マドカは心配症ね、でも、大丈夫だからね」 母さんはそういうふうに言うけど、私は母さんが無理しているように感じる。 今は母さんの事を信じようと決めた。 「マドカ、明日も営業しないといけないからもう寝ましょうか」 「母さん、おやすみなさい」 「マドカ、おやすみなさい」 私は電気を消すと目を閉じて眠ることにした。 しばらくすると横に寝ていた母さんが居なくなっている。 どこに行ったんだろう……。 家の中を探しても母さんが見つからない。 まさか……ケーキ屋に居るのかな。 私は行ってみることにした。 ケーキ屋に行くと明かりがついていた。 私はケーキ屋の中に入る事にしたのだった。 「母さん、何をしているの?」 「マドカ、どうしたの?」 「眠れなくて起きたら母さんが居ないしね」 「心配かけたらごめんね」 母さんがしている事はパティシエのお仕事をしている。 今日の分のケーキ作りをしているようにも感じた。 もしかしてパティシエを雇っているというのは私に心配させないためだったのかな。 そうだとするなら私は何のために手伝っているのと考える事にした。 これじゃ母さんの負担の軽減にもなってない。 なんで母さんはこの事を私に黙っていたんだろう。 本当に親子なんだから頼ってくれてもいいのに……。 私は母さんに直接聞いてみる事にした。 「母さんがなんでケーキ作りをしているの? パティシエの人を雇っているんだよね?」 「マドカ……それはその……黙っててごめんなさい……」 「母さんがもし倒れたらどうするの? 誰がケーキ屋を営んでいけるの?」 「マドカが言いたい事はよくわかっているわ」 母さんはぜんぜんわかっていない。 私にもっと頼っていいのに……。 「私はね、学校に行きたいけど、母さんが営んでいるケーキ屋を手伝いをして少しでも母さんの負担を減らそうとしてたのに そんなふうにされているなら手伝ってる意味がないの」 「マドカ、本当にごめんなさい、ごめんなさいね」 「母さん、さっきから謝ってばかりだよ」 「……………………」 母さんはとうとう黙ってしまった。 これだとお話合いにならない気がする。 一体どうすればいいのだろうか。 私は頭の中で一生懸命考える事にした。 きっと解決策があると信じている。 「母さん、私にもケーキ作り教えて私も作るの手伝う」 「そ、それは……ダメ、ダメなの」 「どうして? 私には頼りたくないの?」 「これ以上、マドカの負担を増やすわけにはいかないのよ」 母さん、そこまでしてまで私に頼りたくないのね。 私は腹が立ったので母さんにこう言い放った。 「もういいよ、手伝うのやめるね、母さんがそこまで私の事を信用してないなんてね」 「マドカ、違うの、お願い、そんな事を言わないで」 「母さん、一人でケーキ屋頑張ってね」 私は母さんを置いて一人で家に帰る事にした。 家に着くと自室に戻る。 自室に戻ると私は目に涙を浮かべて泣きだした。 なんで母さんは私の事をもっと頼ってくれないの。 私がまだ子供だから頼れないのかな。 もう本当に嫌になるよ。 母さんにあんな事を言うしね。 きっと母さん悲しんでいるよね。 しばらくすると母さんが家に帰ってきた。 きっと今日のケーキ作りが終わったのかな。 そうしているとドアがノックされた。 「マドカ、お話しましょ、大事なお話なの、いいかな?」 「…………うん、いいよ……」 母さんがドアを開けて中に入ってきた。 「マドカもしかして泣いていたの?」 「うん」 「母さんのせいね、ごめんなさい」 「また謝った」 母さんはさっきの事でお話をしに来たんだと感じた。 「マドカ、さっきはそのごめんなさいね」 「親子なんだから謝らないで」 「そうね、マドカにもケーキ作り手伝ってもらおうと思ってね」 「手伝っていいの? 本当にいいの?」 母さんは頷いた。 これでまた手伝える事が増えて母さんの負担を減らせるわ。 母さんはいつも一人で頑張り過ぎなんだと感じた。 私の母さんは本当に自慢できる母さんだった。 「マドカ、今日は母さんが全部したけど、明日からは一緒にケーキ作りをしましょうね」 「うん、母さん」 私と母さんは営業時間までまだお時間があるから二人は一緒に仰向けになると目を閉じて寝る事にしたのだった。 いつかは私もケーキ屋を営んでみたいな、お手伝いじゃなくて店主としてね。 今は母さんのお手伝いをたくさんして色々と覚えていかないといけないよね。 私は深い眠りについたのだった。 目が覚めて起きると母さんがまた居ない。 時計を見ると……営業時間がとっくに過ぎていた。 母さん起こしてくれればよかったのに……。 私は急いで着替えるとケーキ屋に向かった。 ケーキ屋に着くとまだそんなにお客さんは来てなかった。 私はお店の中に入ると 「母さんなんで起こしてくれなかったの?」 「マドカの事を起こしたけど、起きなかったじゃない」 「そ、そうなんだ、今すぐ手伝うから待っててね」 母さんは頷いてくれた。 私は急いで制服に着替えた。 制服に着替え終わると母さんの手伝いを始める。 昨日と違って今日はお客さんが少ない。 どうしてなんだろうと考える。 もしかして今まではお客さんが多く来ていたのはたまたまだったのかな。 私がもっと宣伝しないとダメね。 お店の外に出ると私は昨日みたいに宣伝を始める。 「ケーキはいかがですか~、美味しいケーキですよ~」 と私は大声で言っている。 しかし、通りすがりの人達はお店の中に入ってくれない。 今の時代はSNSがあるのでそれを活用しないといけないのかな。 私はスマホを取り出すとSNSのアプリを起動させる。 起動させるとここのケーキ屋の事を記事に書いて投稿をした。 お客さんがたくさん来てくれる事を祈っている。 しばらくお時間が過ぎるとお客さんがたくさん来てくれた。 きっとSNSの効果ね。 私はお店の中に戻るとお手伝いをしている。 ケーキも順調に売れて今日も完売した。 完売すると気持ちいいよね。 それだけのお客さんが来てくれるということだった。 母さんも喜んでいるようだった。 ケーキも完売したからお片づけをして営業終了ね。 私と母さんは二人でお片づけをしている。 お片づけが終わると二人で家に帰宅することにした。 帰宅すると 「マドカ、今日もありがとうね」 「母さんもお疲れ様でした」 二人は座り込むとゆっくりと休んでいる。 しばらく休息が必要だと感じた。 母さんは私より疲れている。 どうにかしてあげたいけど、余計な事をするとかえってよくないわ。 私はじっとしている事にした。 明日も営業があるから頑張らないとね。 私は仰向けになると目を閉じて寝ることにした。 次に目を覚める時はケーキ作り手伝わないとね。
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