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彼の名は、アレン・シン・アウラ。
達実の親友であり、アメリカの大財閥であるアウラ一族きってのエリート。
正真正銘の、アルファだった。
「やぁ! 久しぶりだね、タツミ! 」
「アレン……本当に日本に来たんだ……」
「だって、君はちっともアメリカに来ないじゃないか。休暇を利用して私の別荘に来る約束だったのに、日本なんかに行ってしまうし! そうなったら、もう、私の方から出向くしかないなと思ってね」
輝くような笑顔で言うと、アレンは達実に抱き付いた。
「私をこんなに焦らすなんて、君は小悪魔だよ」
「おいおい、ここは日本だぞ? ハグは程々に――」
と、言いかけた達実の唇は、アレンの唇によって塞がれた。
それは直ぐに離れたが、アレンは続けて言う。
「日本の仕来たりなんて私はどうでもいい。好きなモノは好きだし、いつでも望むものを手に入れたい。……こんな風にね」
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