My important friend

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 その言葉が、決め手だった。 「そうだな……じゃあ、お言葉に甘えるかな」  達実はそう言うと、ニコリと邪気の無い笑顔を浮かべた。 「友達の所に泊まるなんて、Elementary School(小学校)以来だ。あの時は、プールで皆素っ裸になって泳いだりして楽しかったな。ハハ、今はさすがにそんな真似はダメだろうな」 「Oh! プールはないけど、日本のホテルらしくロテンブロというのがあるらしいぞ。是非一緒に体験しよう」 「アメリカ人の君が、熱い風呂になんか入れるのか? 」  達実の疑問に、アレンは少々お道化(どけ)てみせる。 「君が一緒なら、私も耐えてみせるよ」 「おー、言ったなぁ? それじゃあ、ギリまで熱い湯にしてやろう」 「お手柔らかに頼むよ――――色々(・・)、お互いにね」  達実に笑顔を返しながら――――少しだけ、アレンは口角をひくりと歪めたのだった。
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