My important friend

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My important friend

「ちょっと、采! あの子はどうしたのよ!? 」  叔母である恵美に問い質され、采は言葉に詰まった。  今日は四十九日法要の当日であるのに、親族席に達実の姿はない。  とうとう法要が終わりになっても達実は現れないことに、恵美はずっとヤキモキしていたようだ。  施主役を務めている采が法要に集まった面々へと会食へ移る挨拶をして、一区切りついたタイミングを計りながら、隣で端座していた恵美は小声で問い掛けてきた。 「あの子、このまま姿を現さない気なのかしら……あんた、連絡したの? 」 「――電話はしてるんだが、電源を切っているみたいで……」 「やっぱり、奏の所へ帰ったのかしら……それなら、せめて一言くらい連絡くらいはあってもいいと思うけど――ったく、またあんたが何か怒らせるような事を言ったんじゃないでしょうね? 」 「……」  恵美の追及に、采は無言になった。  達実を怒らせた心当たりなら、充分過ぎる程にある。  故に、采は恵美と視線を合わせる事が出来ずに、スッと顔を逸らした。 「――――騙されて日本に来ただの、早々に奏の所へ帰るんだと散々文句を言っていたから、きっと北欧へ帰ったんだろう」 「でも、変じゃない? 」 「……」 「何だかんだ言って、あの子は兄さんに懐いていたんだ。直ぐに帰るにしても、この法要くらいは出席するハズじゃないのか? 」  恵美の追及をはぐらかすように、采は席を立って、招待客との会話に移った。  背中に突き刺さるような、恵美の怪しむような視線を強く感じながら、采は張り付いた笑みを浮かべて招待客をもてなす。  そうしながら、采は内心で反論を展開していた。 (正直に言えるわけがないじゃないか! 義理の弟に迫られた上、殴り合いになったなんて! それにしても、達実――――お前いったいどこにいるんだ!? )
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