勝手過ぎる社長のいいなり

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私へとのばされた手に亜蓮の顔を見るとドキドキしてくる。 私は亜蓮の思うツボにはまりそうで財布を握りしめ脱兎の如くコンビニ行きますと言いながら外へ。 そんな私に対してクスクスと笑っている亜蓮は二階の窓から走る私を見つめていた。 「 置いてくなよ、莉唯 」 亜蓮はのんびり戸締まりをして車のキーを手に私を追った。 慌てて出てきたけどコンビニはどこかな? この辺り知らないな…… あ、あのおじさんに聞いてみよ! 「 こんにちは~ すみません、コンビニへはどう行けばいいですか?」 「 コンビニ?あ~ この先をまっすぐで信号あるし右か左だったかな?行ってまた右か左に行くと確かあるさ 」 …わかんないわ。 「 あはは、すみません、ありがとうございます 」 右か左かもわからないんじゃ私もわかんないよ。 迷子になるよ、困ったな…… とにかくまっすぐ歩いているとクラクションが鳴らされて脇へと寄り歩く私に合わせるように車も徐行している。 黒い車にスモーク貼られているのがわかると怪しいと思い走り出した。 「 莉唯!」 「 え… 」 社長? 「 一人で行かなくてもいいだろ、俺がいるのに。早く乗って 」 言われて助手席に乗ると、私よりも先にシートベルトを引き締めてくれた。 そんな些細な一瞬の至近距離にドキドキして、優しく気が利いた亜蓮が隣にいる姿を見つめてしまう。 コンビニに着くと亜蓮に電話が入りイヤホンで話す。 私は用事を済ませようと先にコンビニの中へ行く。 車を背に話す亜蓮の様子を中から見ていた私。 それに気づいた亜蓮が私に微笑む。 私は下唇噛み締めるように奥へと入った。 ドキドキしちゃダメ! 社内恋愛はダメ! 社長としちゃったけど… あれはカウントなしだよ。 お世話になるんだから恋してる場合じゃないっての。 「 莉唯 」 「 社… 」 「 亜蓮さん!!」 え? 目の前に亜蓮がいて、私を呼んだ声に違う声が被さった。 そして、私の前にある女が立った。
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