勝手過ぎる社長のいいなり

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その女は若い女ではないが私よりもずっと歳上に見えた。 目の前で亜蓮に楽しそうに話しかけている女の人。 亜蓮もそれに答えるように話している。 邪魔してはいけないかと思い反対側へと回った。 しばらくして亜蓮が隣に立ちお客様だったと話してくれた。 「 あとで店見てみる?スタッフもいるから挨拶しようか 」 「 挨拶… はい、わかりました!」 「 固くならないでいいよ、みんな気さくな奴らだから 」 みんな? 奴ら? と言うことは… 男? もしかしてイケメンだらけとか。 へへ… ある意味花だよね。 内なる想像は楽しい。 自分に都合がいい想像で幸せだからだ。 「 莉唯、それ買うの?」 「 え… はい 」 ちょうど化粧水なくなるしね、コンビニあるから便利で助かる。 必要な物だけを買い、亜蓮と店に向かう。 開店作業を終えたスタッフの一人が鉢花と花苗を店先に出していた。 亜蓮の後ろにいる私は少し緊張しながらそばにいた。 「 あれ、社長?おはようございます!」 「 碧、みんなは?」 「 いますよ~ 」 碧が店の中へと行くが私は外観から見入っていたが亜蓮に促され行く。 「 おーい、集合!」 碧の一声に集まるスタッフたち。 「 新しい仲間を紹介する、若田莉唯さんね 」 ひぇー、見事に男ばっか! しかも…やっぱりイケメン揃いだ。 冊子に載ってそうな感じだけどな… 「 初めまして、若田です。よろしくお願いします 」 みんな私を見てるー…… 「 莉唯は俺のだから 」 え… 「 社長の?」 「 そ 」 「 もう?」 「 当然だろ 」 「 えー!」 何… この端的な会話は。
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