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神様仏様……
私はこの人に囚われたんでしょうか?
会社のを退職するはめになって私は運命でこの人に出会ったんでしょうか?
運命なら、文句言いません。
いや、ちょこっとだけ……
「 莉唯… 目、閉じて 」
なぜか覚悟した。
目を閉じると時間は止まっていると、そう思ったから。
そして触れる唇への柔らかな感触に引き寄せられる。
勘違いも仕方がないがまるで魔法にかかるようなキス。
二人だけの時間。
甘く甘いだけの二人だけの時間……
「 社長ー!!」
スタッフ香月の声に私と亜蓮の閉じていた目が開く。
そして亜蓮の舌打ち。
私は口が開いたままポカンと。
「 何だよっ香月!せっかく時間止めたのに!」
いやいや、止まってませんて。
「 何バカなこと言ってんすか!ちょっと来てくださいって、莉唯またね! 」
「 俺の莉唯を呼び捨てにするな!」
あなたが言わないでよ…… まったく。
香月に手を振り一息。
真っ赤な皮ソファに座り体を横へ倒す。
開いている窓から風がレースカーテンを揺らす。
心地よさに眠れと誘われているように思えた。
そんなウトウトした視界に誰かが見えた気がした。
優しく触れる誰かの手を感じだ。
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