勝手過ぎる社長のいいなり

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碧の記憶―――― 碧、莉唯が幼稚園に入園した頃。 キリン組の碧とウサギ組の莉唯。 クラスは違えど互いの両親の父親が同級生であった。 そんな縁もあり家族ぐるみの付き合いで互いの家にお泊まりも旅行もあった。 大の仲良しの碧と莉唯だったが、碧の父親が不運な事故に巻き込まれ他界。 小学校に上がる直前に碧は母方の実家へと引っ越して行き離ればなれとなる。 それ以来の再会となるが、碧には莉唯との幼稚園時代のアルバム、いつも一緒にいた思い出がたくさんあり時が流れても大切にしていた思い出だった。 そして再会したがすぐには気づかずいたが名前を耳にして記憶が戻り笑顔になった。 碧は母方の実家を出て大学のために出てきたこの町で亜蓮にスカウトされて今に至る。 そして莉唯の方は、父親が友をなくした悲しさから思い出を封印。 いつしか時の流れで莉唯の記憶から碧は消えていた。 互いに大人になっての再会となったが、立ちはだかるは亜蓮。 今、碧の頭には莉唯がいる。 敏感な亜蓮は碧にアンテナを立てるのだった。 眠る莉唯。 スヤスヤと気持ち良さげな莉唯に何やら落ち着かない亜蓮が仁王立ちしていた。 「 俺は… 今何考えてんだ?こんな可愛い寝顔の莉唯を野獣のように襲うのか… それとも静かに夜這い風? いや、俺はそんな事はしない。そんな不埒な男じゃない!」 「 …ん~…… 」 「 莉唯? あー、ヤバイぞ俺…… 一晩で虜にされたなんて 」 ……声がする。 誰かが喋ってる? 私に話してる? 眠いのに起こさないでよ…… 「 なぁ莉唯、起きたら一番に俺を見ろよ 」 そう呟く亜蓮はソファに座りそっと私の頭を膝に乗せた。 それからしばらくして目覚めと同じように伸びをすると亜蓮に腕が当りパッチリ目が覚めた。 視界上には亜蓮が目を閉じている姿があった。 社長…? なんで膝枕に…… もしかして寝てるのかな? そっと亜蓮の顔へ手をゆっくり、ゆっくりと伸ばして頬に触れた。 気づかないかと思われた亜蓮が手を掴んできてビックリ。 「 あ… 起きちゃいました? 」
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