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次の日の昼休み、岬は凜の前の席の椅子を借りて、彼女と向かい合っていた。
「長條さんいつもお弁当だね、自分で作ってるの?」
「違う、母親が作ってくれてる」
「お母さんがねぇ」
岬は机に置かれている凜の弁当をまじまじと見た。
長方形の弁当箱には白米と梅干、おかずはたまご焼きやウインナーが入っている。
「いいお母さんだね」
「…うん」
凜は微かに微笑んだ。
自然と岬も笑顔になる。
「神宮さんはいつもパンなの?」
「うーん…もともと小食なんだよね私、パン1個で割りと満腹になる」
「そんなに大きいのに、意外」
「うち、お母さんもお姉ちゃんも身長高いから遺伝だね」
「羨ましい」
「長條さん何センチ?」
「165」
「女子じゃ高い方だよ、私は高すぎるけど」
「バレーするなら高いほうがいい」
「かもしれないけど、私そんなうまくないからなぁ」
「うん」
「おい」
岬はわざとらしく不機嫌な表情を浮かべた。
凜は「ふふ」と笑う。
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