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「神宮さんってあんまり上手くないよね」
「あなたがうますぎるの」
「そんなことないよ」
「謙虚なことで、でもその身長であっちでもエースだったんでしょ?」
「うん」
「東京の強いところになると私みたいなのがゴロゴロいるんじゃない?」
「いるよ」
「よくなれたね、エース」
「身長が高ければ有利だけど、高いからってバレーが上手いとは限らない」
「…そりゃそうだ」
岬は自分のことを言われた気がして複雑な気持ちになる。
凜はバレーのことを熱心に語り始めた。
「私は背は高くなかったから技術を身につけたの、それとジャンプ力とか肩の力…あと手首、ほかにも腹筋、背筋、柔軟も大事だね、体の柔らかさはプレイで柔軟性を生むから」
「そ、そうなんだ…」
「背がなくても勝負は出来る、普通のスパイク以外…例えばレフトに入るふりをして3番…えっとライトとセッターの間付近にあげてもらうの、難しいけど相手を翻弄できる、それから相手ブロックの小指付近を狙ってコートの外に弾き飛ばしたり」
「お、おう…」
「コートに豪快にボールを叩きこむだけがアタックじゃない、コースとかワンタッチとか色々考えるの…パワーがあるとか身長が1番高いからエース、じゃないんだ、1番点を取った人がエースだから」
「なるほど、勉強になりました」
「うん」
凜は満足げに頷く、そして岬は思ったより凜がおしゃべりだということに気づいた。
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