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部員の誰よりもハイペースで走っている凜はもうすでに岬の視界には映らなかった。
岬はきつい紫外線と日光を浴びながらフラフラと走っている。
夏休みに入って3日目、今日の練習は午前の部で9時から13時まで行われる。
「ひぃ…ひぃ」
「神宮先輩…長條先輩はどこですか…?」
息を切らせながら質問してきたのは1年のリベロ、百合だった。
岬もお腹と肺を痛めながらその問いに答える。
「し、知らない…前のほう」
「ありがとう…ございます」
百合は走るペースを上げて岬を追い抜いた。
岬は体力がないのでこういったランニングではいつも後方を走ることになる。
「神宮さん、お疲れみたいね」
「月島さん…」
後ろから岬に追いついたのは春だった。
ゼエゼエと息を切らす岬とは違い、春は割と余裕そうだった。
明らかに手を抜いて走っているのだ。
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