彼女たちの夏

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「強めに打つよ」 「え?」 凜は体を反らして、一番高い打点で打った。 スナップがよく効いたアタックはすさまじいスピードと音を伴い、岬のほうに向かってきた。 「いたっ!」 岬の手首にぶつかったボールは後ろに飛んでいく。 ひりひりとした痛みが残る手首をさすりながら岬は凜を睨む。 「痛いよ長條さん」 「すぐ慣れる」 「とれないよ長條さん」 「練習すればとれるようになる」 岬は練習に熱が入った凜の顔を見つめた後、後ろに飛んだボールを拾いにいった。 「どうすれば上手くなるかなぁ?」 岬はボールを拾った後、凜に聞いた。 「レシーブ?」 「うん」 凜は少し考えた後に、岬をまじまじと見て言った。 「神宮さんは基本が出来てないからそれを直さないと難しい」 「え?基本…出来てない?」 岬はかなりのショックを受けた。 一応中学からやってきた自分がこんなにもはっきり言われたことに。
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