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「返事するんだね、長條さんも」
「あなたがいるから、今度またゆっくり教えてあげる」
「ありがとう」
「前から指摘したいことがあったの」
「そのとき教えてくれればよかったのに」
そう岬が言うと凜は顔をしかめた。
「…そのときはあなたと話したくなかったから」
「…そっか」
岬は嬉しいような悲しいような表情で、なんとか笑った。
宏美の元へみんなが集まっていく。
凜も同様に歩いていた。
岬は少し遅れ気味に宏美の元に行向かった。
ここでヘマをすればまた凜に指摘されるんだろうな、と心の中で考えた。
これは嬉しいことであるし、少し嫌な事である。
凜に直接教えてもらえるのは嬉しいけど、腰を下げるあの練習は自分にはきつすぎるのだ。
「岬、早く列に並んで」
「はーい」
岬は凜を一瞥して、爽やかな気持ちで列に並んだ。
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