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いい匂いだ。
ルドーニは、鼻をひくりと動かした。
甘く、優しく、それでいて凛とした自己主張のある香り。
風に乗って運ばれてくる、いい匂い。
初めて経験するその正体をつきとめたくて、ルドーニは香りのする方へと足を向けた。
香りの先には、少女がいた。
自分と同じくらい、いや、少し幼いその人物は、初めて経験する香りと同じく、初めて眼にする美しさだった。
まるで天使のような。
いや、天使のように甘ったるくはない。
気高い、まるで幼い美神のようなその姿。
魂を、素手でつかまれたような心地になった。
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