第一章 可愛いおとうと

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第一章 可愛いおとうと

「これ、カイトが選んでくれたのね。ありがとう。」 ハルカが紅茶のセットをアキヒトのお母さんに渡す。 お母さんはとても喜んでくれた。 「金はこの人が払ったから、俺じゃない。」 カイトくんが言うと 「この人やないやろ、ハルカさんやろ。」 と、アキヒトが言う。 「・・・・・・ハルカさんがお金を出してくれたから、俺は選んだだけだ。」 カイトくんが言い直した。 「カイトくんに選んでもらえて、助かりました。」 そう言いながらハルカが彼に笑いかけると、 カイトくんが真っ赤になる。 “かわいい!” と、思っていると アキヒトに肘で突かれた。 「ダメですよ、アイツは。」 耳元で囁かれる。 “信用無いなあ。” ハルカは内心苦笑いしていた。 「心配せんでも兄ちゃんの彼女なんか取らん。」 カイトくんにまで呆れたように言われ、 アキヒトは赤くなった。 こっちも可愛い。 「ハルカさん、可愛らしいからモテモテね。」 「嫌だ、お母さまったら。」 ともあれプレゼントは喜んでもらえたし カイトくんは懐柔できそうだし 良かった良かった。 ハルカはカイトくんをじっと見つめると 目が合った瞬間ウインクする。 彼は耳まで赤くなった。
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