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第四章 ファーストインプレッション
ところがいざ
桜井遥本人が家の玄関にいるのを見た時、
カイトは彼女の美貌に、驚愕していた。
“顔小さいし、脚長い!”
大きな瞳で見つめられ、
自宅の玄関であることも忘れて固まってしまった。
「あんた、誰?」
せいぜいそう言うのが精一杯だった。
途端に母さんと兄さんから叱られる。
「言ってたでしょ!桜井遥さんよ。
ごめんね、この子ぶっきらぼうだから。」
「桜井遥といいます。こんにちは。」
思ったよりも低く、良く通る声で彼女が言った。
その笑顔に思わず笑顔を返しそうになり、
ふいと顔を背ける。
“危ないところだった。”
望さんを泣かした女を許すわけにはいかないのだ。
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