北海道置戸町を応援する創作童話『カラマツじいさん』

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 初めの頃、先生は一人で一年から六年まで約四十人の子どもを受け持っていたから、子どもたちはガヤガヤいつも大騒ぎ。まともに勉強なんてしてなかった。その辺で拾って来た木の枝をバットに、布を丸めたものをボールにしてハンドベースという遊びをしていたな。    よくケンカもあった。土佐犬の闘犬と同じで、先に声を出した方が負け。常上(つねがみ)小学校より勝山よりにある、常元(つねもと)小学校の子どもたちとケンカするために、ケンカの練習をしている子どももいた。卒業式は常元小学校でいっしょに行われるんだが、そのあとで常元小と常上小がケンカするのは毎年の恒例行事になっていた。ケンカに負けた子どもが、わしの根元で泣いたり、わしを腹いせに蹴ったりしたもんじゃ。 d5ad68a8-5ad4-406d-a033-5e384c49dc9e ※写真はイメージです。(この写真は倶知安町立西小学校樺山分校です)  
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