北海道置戸町を応援する創作童話『カラマツじいさん』

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 わしは樹齢二百年にもなる古いカラマツじゃ。  部落のみんなには「カラマツじいさん」と呼ばれておった。  わしは今、鹿()の子ダムの湖の底に沈んでおる。  鹿の子ダムができる前、そこには旭部落と呼ばれる集落があった。山の木を切ったあと、新しく木を植えるためにできた部落だったようだ。そこで暮らす子ども達は、常上(つねがみ)小学校、中学校という学校に通っていた。  わしは、その小学校の近くで毎日、子どもたちの生活を見守ってきた。子どもたちは親の手作りのワラグツ、ワラ手袋、トウキビの皮を編んで作ったゾウリやゲタをはいていた。服はつぎはぎだらけだった。 312723aa-7972-410e-8d6a-526368aa0f4a
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