13人が本棚に入れています
本棚に追加
きみと生きる
「おーい。大ばぁば!変りはないかい?」
がらがらと引き戸を開いて、男子学生が顔を覗かした。
大ばぁばはにこにこと笑いながら、
起こしたリクライニングのベッドに座ったまま手を振った。
毎日来てくれるリハビリの療法士の女性が
微笑んで少年に頭を下げた。
「うん。元気そうだね!
みてくれよー。僕高校生になったんだ!」
「かっこいい制服だねぇ。よく似合うねぇ。」
少年は嬉しそうに頭をかいた。
「これから学校なんだ!大ばぁばに見せたくて来たんだ!」
大ばぁばは満面の笑顔でまた手を振った。
「男前だねぇ。じぃじにそっくりだよ。いってらっしゃい!気をつけてね!」
「いってきまーす!」
少年は大きく手を振ると、朝日の中走り去った。
最初のコメントを投稿しよう!