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もう一度きみと
「あらよく寝ているわ。さすがおかあさんね。」
「可愛らしいわねぇ。まさか曾孫の顔をこうしてみられるなんてねぇ。」
大ばぁばが赤ん坊のくるくるした巻き毛をそっと撫でながら、
小声でこたえた。
「おとうさんにも見せて上げたかったわね。」
「ほんとね。でも私もついにばぁばになったのよ。いやねぇ。」
大ばぁばがくすくすと笑った。
「私から見れば、あなたなんてぴちぴちよ。若いおばあちゃんだこと。」
笑い声につられたのか、横にいた赤ん坊がぱっちりと目を開いた。
そして手を伸ばして、大ばぁばの腕にしがみつくと
「おーばぁば」と言った。
女性二人は顔を見合わせた。
「今、喋った?」
「えーーっ!ママやまんまよりも先に大ばぁばなの?」
ふたりのおばあちゃんは笑い転げた。
そして何度も、もう一度言ってごらん?と繰り返した。
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