第9話 企み✔︎

1/1
506人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ

第9話 企み✔︎

 つるりとした太くて短めのペニスを口に含むと、適当に舌を絡みつかせる。家庭教師にもやらされていたが、あまり得意ではない。喉の奥に当てるように咥え込むと、ジワリと所長のにおいが鼻を抜けた。 「誠は従順で可愛いなぁ。せやけど、初めてじゃないのはちょっと残念やったな」  初めての相手が、わりと好みのタイプだった家庭教師で良かった。所長だったら殺していたかもしれない。  上を睨むと、所長が得意げに僕を見下ろしていた。これから5年以上この顔を見続けるのか…。絶望に近い思いを抱きながら、所長のJrを食う為に勃たせ続けた。 「んぐ……かはっ…はぁ……」  喉を圧迫され吐き出すと、所長は事務椅子に踏ん反り返って次の命令を下した。 「じゃぁ次は、Jrにコンドームを着けて、自分でワシの膝に乗りなさい」  顔を見なくていい体位は嫌いじゃない。が、この椅子、男2人分の体重に耐えられるのか?  ゴムなんて自分にも付けた事が無いからモタつく。  拙い手つきでゴムを被せると、所長の上に跨り、Jrを手で誘導しながら体重をかけて体内に取り込んだ。  熱い塊が押し入って来ると、やはりまだ始めのうちはキツくて息が止まる。半分以上入ったところで、所長の首に腕を回した。  椅子が壊れないか心配で体重をかけられないでいると、所長は見透かしたように椅子について語った。 「そんな恐々空気椅子せんでも、この椅子は耐荷重200kgや。揺れても大丈夫なやつ買うてある。ついでに言うと、この部屋で叫んでも母屋まで聞こえへんのも確認済みやで」  そういえば、僕の前任者が居たらしい事を林さんが匂わせていたな。所長の長話に付き合わされて辞めた人物も、この椅子でしたのだろうか。  椅子の背をなぞり、居たかどうかも分からない前任者に思いを馳せていると、痺れを切らした所長が僕の腰を引き寄せて完全に座らせた。バランスを崩した直腸に、僕の体重が乗り、所長のJrが奥深く突き刺さる。 「あぁっ……!」  予期せぬ刺激に思わず声が漏れる。所長の熱い背中にしがみつくと、彼は満足気に僕を揺らし始めた。  激しくないゆったりとした動きで、中をグリグリと掻き回される。所長の動きに合わせて腰を動かしているつもりが、気がつくと感じるところを擦ることに熱中していた。 c6cabf28-1d68-45ae-9b6f-6cf7793b98f4  その時、カタンと後ろで音がした。揺れによる振動で机から何か落ちたのか…気になった瞬間、所長が下から突き上げた。 「あっ、あっ、あっ、あっ…んんっ!」 「余所事を考えるなんて悪い子やなぁ。セックス中はワシの事だけ考えてなさい。気持ちえぇか?」 「んっ…しょちょ…きもち……いぃっ…んぁっ!」  激しく揺らされ椅子と一緒に悲鳴をあげる。声を我慢しようとするも、口を閉じると衝撃が内にこもって気を失いそうになる。 「しょちょ…しょちょ…所長……しょちょ…」  ヒゲのザラつく頰に被さるように抱きつき、事務机の奥の壁を見つめる。振動で視界が定まらず、車に酔ったみたいだ。さらに内臓を掻き回され、だんだん何も考えられなくなっていく。 「もっと…奥…もっと…もっとぉっ…」  尻の筋肉が意識から離れて痙攣を始める。  もっと…もっとだ…もっと奥に突き刺さり、僕を串刺しにしてくれ… 「誠はほんまに素直で敏感やなぁ。この啼き声を独り占めするのはもったいないから、是非、甲斐谷にも聞かせてやりたいわ」  また甲斐谷か…。甲斐谷の名前を出せば締まると思い込んでいるのか。バカなのかな? 「今は…所長だけ…感じて…たい…あ、あっあっあっあっあっやっそこ、ダメ…イク、イク…」  腸壁を蛇が入り登って来るように快楽の波が押し寄せる。浅い呼吸で喉がヒンヒンと笛を鳴らす。  全身がゾクゾクっと震え、所長の服に体液が飛び散り、汚してしまった。僕の中が一斉に脈打ち、所長を根元から包み込む。所長の出した熱い物を腹の奥にジワリと感じながら、大きく空気を吸い込むと、身体の力が一気に抜けて所長の上に倒れ込んだ。 「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」  2人の荒い吐息が、シンと静む所長室に響く。まだ中に入ったままの所長自身も、それを飲み込んでいる自分の穴も、ピクン…ピクン…と脈打っているのを感じる。  汗を吸った服が鎧のように重く感じるほど、脱力して動けない。瞼を開けるのも面倒で目を閉じたままで居ると、しばらくして所長は僕を抱き抱えたまま立ち上がり、すぐ側のソファに降ろした。ドサリと運ばれた衝撃で目が開くと、正面に煌々と光る蛍光灯があって眩しい…思わず両腕で目を覆った。  所長は中からズルリと抜け去ると、まだ息の整わない僕に足を開かせて後肛のチェックをする。 「大丈夫か、切れてないか? 今日は夜勤、ご苦労様やったな。明日は昼までに出て来たらよろし。ワシは先にシャワー浴びさせてもらうわ。誠も、少し休んだらもう1回シャワーを浴びてから寝なさい。ローションとゴム、ここに置いとくで」  そう言うと所長は、電気を消して所長室を出て行った。目の前の照明が消え、少しホッとする。まだ腰が甘く痺れていて頭がハッキリしない。脳内ドラッグってやつか。メスイキによる快楽と疲れに身を任せ、うつらうつらと意識を飛ばしていた。  明日は少しゆっくり眠れる…気遣いはありがたいが、何故ローションとゴム?  未だ動きの鈍い頭で考えたが答えは出ず、このままこの格好で眠ってしまってはマズイなと思った矢先、肛門に細い何かが侵入してきた。  シリンジか? 気付かない間に一瞬眠っていたのだろうか? 眠っている間に所長が帰って来て続きをするのか。  暗闇で熱い男の身体がのしかかって来ると、同時にまだ痺れが残る肛門に、ニュルリと太くて長い肉塊が侵入してきた。  太くて…長い…?  所長のは僕より短い。背中に冷や汗が滴り落ちる。  誰…?  僕は恐る恐る瞼を開けると、暗闇の中で目を凝らした。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!