第14話 逆転

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第14話 逆転

 甲斐谷は僕の腰を抱え上げ、僕のペニスからの滑りを後ろに塗り、指を入れてきた。 「い…いやだ…やめろ!」 「やめたらお前は所長のところへ行くんやろ?」  冷静な声で答えながら、甲斐谷は右手で穴を解し、左手で僕のペニスを扱き始めた。両方同時に攻められると、膝立ちさえ危ういほど力が…抜けていく。 「はぁ…はぁ…や…やめ…あぁっ…かいた…に…」  甲斐谷は指を2本に増やし、ガクガクと震える僕の膝内に足を入れて開かせると、熱い下半身を当てがった。 「オレも所長と同じように、お前の気持ちを無視して抱く。嫌われてもかまへん、いっそ憎め。お前の一生で、一番嫌いな男にしてくれ」 「まっ…て、かいたに…抱くな…たのむ…」  お前に抱かれると、このあとの所長との夜勤が地獄になる…  そして僕は、再びこの身体に甲斐谷が入って来るのを止められなかった。 86f240c3-5082-4355-85f3-1548b6db7302  甲斐谷の相手をし終わって部屋を出た時は、既に0時を回っていた。甲斐谷は、僕が所長のところへ行けないよう何度も中に出すと、僕が伸びたのを確認して、再びシャワーを浴びに行った。  もうこんな時間に行っても無意味だろうが、一応行かないと後が怖い。重い足を引きずるように所長室へ行くと、まだ明かりが点いていた。  所長は怒っているだろうか…  怖い…次は何をされるのか…  所長室のドアを開けると、所長は僕に笑顔を向けたが、目は全く笑っていなかった。  しかし、僕の様子がおかしい事に気付くと… 「どうしたんや…」  すぐに駆けつけ、よろめく僕を支えてソファに座らせてくれた。 「……甲斐谷かぁ…」  何も返事をしないでいると、所長は僕の汗に濡れた前髪を指で掻き分け、グローブのような手で頰を包み込んだ。 「大丈夫か? 甲斐谷もまだまだ若いから仕方ないけど…これは1回ちゃんと躾なあかんな。誠、その様子やと風呂まだやろ? 1人で入れるか?」  全身ドロドロで気持ちが悪いが、風呂場までがひどく遠く感じた。力無く首を横に振ると、所長は再び僕を支えて立たせ、担ぐようにして所長室を出た。  母屋の一角にある古びた小さな風呂場。カビ臭い脱衣室で所長は僕の服を脱がせると、棚から個別包装された太いシリンジを開封して、自分も服を脱いで一緒に浴室へ入った。 「足に力入ってないから滑らんように気ぃつけや」  優しい所長を少しだけ見直すも、全身に付けられた甲斐谷のマーキングと、これから所長とする行為を思うとうんざりする。  所長はシャワーの温度を確認し、壁に手をついて尻を突き出すように言った。  今、立ったままヤるのはキツいな…  言われた通りにすると、所長は僕の尻の穴をまじまじと見ながら呟いた。 「乱暴な抱き方しよってからに、可哀想に。ローションちゃんと使たんか? 腫れて赤うなっとるやん、痛いやろ? でも中を綺麗にしとかんと、明日が辛くなるからな。ちょっと我慢しいや」  そう言うと、シリンジで湯を注入した。 「シャワーの中で出したら恥ずかしないやろ。何回かやってキレイにしとかんと下痢するからな」  疲れた身体に翻弄されて羞恥心どころでさない。もうどうにでもなれとばかりに所長の指示に従った。 「ついでに頭も洗たろ。椅子に座るとケツが痛いやろから、ワシの膝に座りなさい」  また対面座位でヤるのか?とも思ったが、所長のJrは項垂れたままだった。  骨と皮ばかりの僕と違って、男盛りの筋肉質な所長に身体を預ける。人肌の温もりを感じつつ洗髪してもらい、最後には抱きしめられた。 「いっぱいマーキングされたなぁ、せっかくキレイな肌やのに。甲斐谷にはお仕置きせなあかんな」  お仕置きと聞きドキリとする。クビ…とか? 「所長…お願いです…僕は大丈夫ですから…」 「心配せんでもえぇ。ちょっとお仕置きするだけや。誠は甲斐谷のことが好きなんやろ? ワシの可愛い誠が悲しむようなことはせえへん。さ、上がろか。誠は明日も昼出でええで。でも夜勤はアリや、えぇな」  え…これだけ? ……洗浄だけ?  何時間も待たせた上、シないで終わるのか? 怒ってる? 何を考えているのか、まるで分からない。だからこそ怖い。何か…せめて抜くくらいはした方がいいんじゃないか。  僕は所長の膝から降りて床のタイルに座り、所長のJrを咥えようとした。しかし、所長は僕の手を掴んでそれを辞めさせた。 「今日はそんなことせんでえぇ。ワシは誠と一緒に楽しむ為にセックスしたいんや。疲れ果ててる誠にしてもらっても楽しないから要らん。でもそんな身体でワシの所に来てくれただけで嬉しいよ」  頭を撫でられ面食らった。僕を無理矢理手篭めにしたくせに、甲斐谷まで巻き込んだくせに、今更何のイメージアップだ。  その後、所長は浴室から出ると、身体を拭いて腫れた局部に薬を塗り、服を着せてくれた。 「部屋に帰ったら新しい服に着替えて寝なさい。部屋まで送ったろか?」 「大丈夫…です」  後ろ姿を所長に見送られながら部屋に帰ると、昼まで泥のように眠った。
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