第八章

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光の粒となって、玉はその形を消した。 全員が唖然とする中、月がぐらりと姿を揺らす。 日和が甲高く鳴いた。 「貴様!」 嘉次郎が降りてきて、衝撃で震える右手を、手首から握る。 そして、腰に下げていた刀を抜いた。 結子は青くなって、身を硬ばらせる。 そこに時貞が走ってきて、抱きしめるようにかばった。 だが、それを引き止めたのはツグ姫だった。 「嘉次郎様、もうおやめください。 私、お父様に頼んでみます」 思いがけない一言に、嘉次郎はツグ姫を見返す。 「しかし」 「嘉次郎様。私達は間違っていたのです」 ツグは大声を出して、天狗を制する。 「彼女の言う通りです。こんなことを繰り返しても何の解決にもなりません。 私くし達は常に何かに怯えて生きていかねばなりません。 ならば、祝福される道を選びましょう」 ツグ姫は目に涙をいっぱい溜めて訴える。その姿を見て、嘉次郎は自分の中の怒りが消えていくのがわかった。 「それで本当にいいんだな」 「はい。あなたとですから、何だってやれます」 たった数分のことなのに、ツグは別人になったかのようにその目に、光を宿していた。 二人が見つめ合う中、ようやく天狗二人と貴明が到着した。 「解決したんだな」 「うん」 結子はそう返事をした。
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