第一章

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現れた物を見て、鳥肌がたった。 修験者のいでたちに、青色の長髪。赤ら顔には、太く毛の長い眉がのり、立派な髭が蓄えてある。 眼光鋭い目は白眼が少なく、黒目の先に そして一際目立つのは、まっすぐに伸びた鼻。 明らかに人ではない。 何度か絵本でみた。祭りの舞で見たことがある。 それは天狗だった。 「まさかそちらから、わざわざ出向いてくるとはや。ツグをどこへやった!」 時貞は刀を構え直す。
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