リスタート・メモリー

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リスタート・メモリー

―神界歴500年末期・コネクティア― …俺はこの世界が憎い。俺を生み、育て上げ、そして…俺から大切なものを奪い、それを返しもしなかったこの世界が…酷く憎い。 だから俺はこうしてお前たちの憎悪畏怖の対象として君臨しているのだ。 「いいかみんな、アイツは爆砕魔法を使うみたいだ。かわしながら回り込んでたたみかけるぞ、いいな?」 「「了解!」」 この世界では今まさに未来の命運を決める戦いが行われていた。 かつて神になろうとした天魔の長バァルと彼に大切なものを奪われ、覇道に堕ちた神ルドラスとがぶつかり、ルドラスが勝ち、そのまま復讐として世界各地を襲っていた。 「自分たちが英雄だと思い上がるような愚かな人間どもに…この俺は倒せん!消え失せろぉ!」 ルドラスは指を強くパチンと鳴らし、黒い炎を伴う大爆発をいくつも巻き起こした。 「ぐわぁぁぁぁ…隊長、このままでは近づく前に我々がやられてしまいます!早急な作戦の修正を!」 「おのれルドラス…復讐で世界を消そうなど…ふざけた真似をするな!」 「黙れぇ!貴様ら人間がこの俺にふざけた真似などと…言うでないわぁ!」 ルドラスの怒号に合わせてあちこちで連続して爆発が起きた。 「隊長…ここは一旦引きましょう。神といえど魔力がなければこのようなことはできません!」 「ええい…やむを得んか。全軍撤退、形勢を建て直す!」 「待て…誰がそんなことを許可した。神と相対し刃を向けたのならばどちらかが白旗を掲げるまで戦うのが決まりだとあっただろう?」 ルドラスは左手を突きだし、ドアや窓を全て黒い氷で覆ってしまった。 「ひっ、ひぃぃぃぃ…」 対ルドラスのレジスタンスの隊長は目の前の光景に思わず震え上がり、失禁してしまった。 「命までは奪わん…だが、俺に歯向かった報いはそれなりにくれてやる。」 「あっ…」パキーーーーン …本当に愚かで、理不尽極まりない世界だ。救える命も救わせず、守るべき命もろくに守れぬ世界など…存在する意味がない。
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