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「相手見つけるんなら、早いうちがいいわよ。
私みたいになっちゃ駄目よ。
新鮮味がなくなっちゃってるから、社内じゃもう駄目だわ。
どっかにいい男は居ないの?
紹介してよ。
私を幸せにしといたら、あんたにもいいことあるから」
「え、どんないいことですか?」
「幸せだったら、心に余裕ができるじゃない。
イライラしてあんたたち、後輩に当たらなくなるわよ。
ちょっとあんたたちがミスしても、いいわよ~とか言ってフォローしてあげるかもしれないし」
そう言いながら、詩織は後ろを振り向く。
話の途中で、花鈴の同期でおとなしい俊子が入ってきていたのだ。
詩織の話を聞いて苦笑いしている。
「さあ、あんたたち、私に彼氏を紹介したという恩を売れるのは一人だけだからね。
紹介した、までじゃ駄目なのよ。
ちゃんとラブラブの彼氏にならないと。
急ぎなさいよ。
……西辻花鈴、顔に、やっぱり、めんどくさい人だなあって書いてあるわよ」
花鈴は驚き、
「すごいっ。
私の心の声、一字一句間違ってませんっ。
堀口さん、超能力ですかっ」
と言って、めちゃくちゃ怒られた。
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