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駐車場には、予想に反して、誰も居なかった。
だが、花鈴がホッとして、光一に挨拶し去ろうとしたとき、
「やあ、お疲れ様」
と声がした。
振り向くと、監査役が立っていた。
此処までの地位にのし上がってくるくらいだから、見た目通りの人ではないのかもしれないが。
ぱっと見は温厚なおじいちゃんだ。
「お疲れ様ですっ」
とまた花鈴は急いで頭を下げる。
「お疲れ様」
とやさしく声をかけてくれた監査役に、
「お帰りですか?」
と光一が話しかけている。
二人が少し話し出したので、この隙に去ろうと、花鈴は頭を下げて行きかけたが、運悪く、花鈴の話になってしまった。
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