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「時間ですよぉ〜。タイムアップです!」
お弁当を片手に最愛の妻が息子との時間を終わらせに来た。
「もう少しで泣き止む!」
「無理だってば…。はい、空、おいで。」
腕の中の赤ん坊を取られる。
今の今まで泣いていたのに、水菜が抱いたらすぐに泣き止む。
(なんか…悔しいな………。)
「はい、お弁当。野菜も残さず食べてね?高橋さんを困らせたり虐めたりしないで、倉田さんにわがまま言わないでよ?」
子供扱いされている事に真は全く気付いてない。
「育休取ろうかな……。」
静かに抱かれている息子を見て言う。
「いいけど…。空、産まれてから、一週間は家で仕事してたわよね?
あの状況になるんじゃないの?」
と言われて考える。
「……なるな。」
首も座った息子、空(そら) は、現在6ヶ月に入った所。
むちむちのぷにぷにで可愛い。
笑うと水菜に似ていて、それを見て仕事に出掛けたいが、いくら頼もうが笑う事はない。
朝から遅くまで家にいないから、きっと父親とは認定されていないのだと思う。
「水菜、来週から復帰だよな?一緒に行くよな?」
「…うん、チャイルドシート…付けたよね?」
「うん!大丈夫!バッチリ!保育士さんにもよ〜〜く頼んでおいた。」
「よ〜〜く頼んでおいたって方が心配ですけどね?」
くすくすと笑い、水菜は玄関先で手を振る。
空を腕に抱いてお見送りしてくれる。
(これはこれでいい!でも、職場に水菜がいるのもいいし、休憩中に空を覗きに行けるのもいい!)
水菜の復帰が楽しみで仕方がない。
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