あなたになりたかった

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「何ですか?」 目を細めながら近付く。 「え?何ですか?これ!」 「やっぱり知らなかったんだ。そんなに有名な雑誌じゃないけどさ、載ってたらしい。お洒落なセレブ妻、みたいな題名でね?いいだろう? これ、仕事中癒されるんだよなぁ…。」 モニターの右上の枠に両面テープで貼り付けられたラミネートされた写真を水菜は思い切り剥がす。 「あぁ!なんてことを……。水菜!プライバシーの侵害だ!」 「どっちがですか!こんな物、見られたら恥ずかしいです!社員だってこの部屋には入るでしょう?」 「ああ……返してくれぇ〜〜。」 手を机から伸ばす真を見て、 「ゾンビですか?」 と、水菜は言い、スケジュール手帳から一枚の写真を取り出す。 それをバン!と、机の上に置いた。 「午後までに写真盾を買って参ります。 社長室の社長の机の上に家族の写真が置いてあるのは、社員にも身近な存在に感じられて良いと思いますよ?」 その写真を手にして、真は釘付けになった。 「おぉぉ!これ……お宮参り?」 「はい。御守り代わりに持ち歩いてます。差し上げます。 綺麗に撮れているので私もお気に入りです。代わりにこれは没収です。 二度となさらないように…。」 「これいいなぁ…。空も水菜も可愛い。俺余計かな?いや、俺コミでいいよなぁ……。あ、写真盾、白いのがいいなぁ、銀かなぁ?」 水菜は少し呆れ顔で、 「良い物を選んで参ります。」 と答えて、少し笑い階段を下りた。 そのまま連絡を待ち、梨香達のいる会議室に向かった。
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