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毛布を退けてバサバサ振る。
布団も外してポンポン叩いてみた。
「ダニ?湿気?何となくジメジメしてて気持ち悪いとか?んーー。何とも無いけどなぁ…。」
「空、今日はお母さんとこで一緒に寝ようか。明日天気だったら空のお布団干すね?もうすぐお父さん帰って来るから、その前にお風呂入ろうか。さっぱりしたらご飯にしようね。」
戸締りを確認して、水菜は空とお風呂に入った。
7時半に真が帰宅して、こっくりする空を見ながら夕食を食べていた。
「ねぇ真、空がね?」
「うん…。」
「今日に限ってベッドに寝ないのよ。すぐ泣くの。」
「ふぅ〜ん。」
食事をしながら、水菜の顔と空の顔を見て、笑顔で真は答える。
「調べたのよ?ベッド。特に変わりはなくて、ダニかな?とか考えて、明日干そうと思うんだけど、今日はね、寝室で一緒に寝かせようと思うの。いいよね?」
「うん。……そんなの聞くまでもないよ?構わないよ。良いに決まってる。」
ご飯を飲み込んで真は水菜に言う。
「ゲームはどう?私が帰った後は没頭できているのよね?」
お茶を真に出しながら水菜は聞いた。
食べ終えた真は水菜が片付ける間、空を抱いていた。
「うん、時間があるから集中は出来てるよ。来年辺りには完成して出したいけど…どうなるかな?」
空を渡しながら、珍しく弱気発言をする真を水菜は心配して言う。
「どうしても完成して発売しなきゃいけないわけじゃないのよね?」
「うん、まぁ、俺の趣味…半分みたいなとこがある。」
冷えた麦茶を飲んで真は返事をした。
「それなら焦らずに、納得のいく、真の楽しいと思うものが出来るまでゆっくりやったらどう?自分が楽しいのが一番でしょ?」
「うん…。まぁ、そうだけど、空の誕生日までに、いや、今年は無理でも来年。3歳になればゲームは出来るし、初めてのゲーム体験がお父さんのゲームっていいだろ?売ること考えるとその半年は前に完成しないとさ…。」
「ばかねぇ?空が遊ぶ分には、完成さえしていたら販売ルートなんかどうでもいいのよ?
いつかみたいに、社長室で私にやらせてくれたみたいに……。
空にはそれが嬉しいと思うわ。」
「……あぁ…。そっかぁ。」
脱力したように真はぽかーんとして答えた。
親子3人で大きなキングサイズのベッドで、川の字になって眠った。
翌朝の二人のテンションが高くて、水菜は揺れるベッドと、キャッキャ言う声で目が覚めた。
「もうちょっと寝れるよ?寝ようよ?」
背中を向けて寝ようとすると、二人分の体重が水菜の上に乗って来た。
キャッキャと笑う空の声が、ちょっと小悪魔みたいに感じた。
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