一緒が、いい！

職場復帰

水菜が職場復帰する朝、バタバタと忙しそうに動いている。
空と二人、分身でもしそうな水菜を見る。

「水菜？そろそろ時間だけど…。」
「え？嘘！待って！まだ、空のミルク……。ああ、その鞄にオムツ入ってる？
よだれ掛けも。」
会社に持っていく鞄を見る。
保育士さんにこのまま渡す、空の着替えの鞄だ。

「オムツも服もよだれ掛けも入ってる。大丈夫。いざとなれば、引き取りに行けばいいし、あんまり真面目に考えるなよ？自分の旦那の会社なんだから。」
「そういう甘えは好きじゃないわ？」
囁く様に言う水菜に、
「梨香は活用してるぞ？あれくらい逞しくないと。働くお母さんは…。」
真が言いながら水菜の頭をポンポンと叩いた。

淡々と冷静に仕事をこなす水菜だが、実はいつもいっぱいいっぱいだと、一緒に暮らして気付いた。
仕事中笑顔がないのも、頭の中で次から次に仕事の手順を考えているからで、要領がいいタイプではない。
だから二人目を産んで、慣れている梨香は復帰も早かったが、水菜はしっかり8ヶ月の産休を取った。
初めての子育て、すぐ復帰では無理だと水菜自身が判断した。

復帰後もまずは時短、15時には帰宅する。
無理しない様に、主婦に働きやすい会社を目指しているので、梨香や水菜には気付いた事は何でも言ってくれと話してあった。

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