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新しい出会い
1週間が経ち、その日は水菜の診察日で、家族で先ずは病院。
会社にも病院が終わったらその足で出勤すると連絡を入れた。
「貧血も回復しました。赤ちゃんも順調、悪阻もないですね?」
「はい、気付かないほどまったく……。」
「良かったですね?ラッキーな偶然は重なっていたかも知れませんよ?
無理なダイエットは止めてくださいね?何でも程よくが一番です。」
と医師に言われて、二人で頭を下げて診察室を後にした。
会社に着くと地下駐車場に車を停める。
空を下ろそうと、シートベルトを外すと泣く。
「おぉ〜い!何で乗る時泣いて、ベルトを外すと泣くんだ?お父さんは悲しい…。」
言いながらも器用に、動く空をチャイルドシートから抱き上げた。
「驚いた。空、シートから簡単に抱き上げたわね?前は足が引っ掛かるとか、手伝ってとか…言ってたのに…。」
見ていた水菜が言うと真は威張った様に、
「伊達に1週間、空と二人だったわけじゃないからな?呼吸も合って来たんだろ?」
嬉しそうに話す真に、水菜も笑顔を向けて空を受け取る。
ベビーカーに乗せて、おもちゃを手に渡す。
ちりりんと、鈴の音がするのが空のお気に入りだ。
警備員に会釈をしてエレベーターに乗った。
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