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出勤して、倉田からスケジュール確認をして、どこかの合間に託児所に行く時間を考える。
(今日は午前空き…14時システムチームの会議か…。まぁ、報告のみだな。)
こうなると空に会いに行くのは午前中になる。
真夏が産まれても空への真の溺愛に変化はない。
11時、託児所に空を見に行く。
最近はお昼寝の時間よりも遊んでいる時間が長くなった。
小窓から覗いていて、真に気付くと空はドアに寄って来る。
「とーたん!とーたん。」
(いや…もう……すげぇ、可愛くない?天使じゃない?俺の子まじで凄くない?いや…あの笑う顔。水菜そっくり!やばっ!可愛い!)
口元を押さえながら、保育士に会釈しつつドアを開ける。
駆け寄る我が子を抱き上げる。
「空!いい子にしてたか?仲良く遊んでたか?
お昼食べたらお昼寝だな?ちゃんと寝るんだぞ?
寝て、おっきしたら、おやつ食べて、そしたらお父さん、お迎えに来るからな?」
「とーたん、まんま、もぐもぐする?」
「うん、お父さんも空と同じお弁当だよ?お母さんのお弁当だ。」
「たーたん、まんま?おいしー、おちょろい?」
「そうだよ?美味しいお揃いだ!」
頬にキスをする。
「いやん!」
顔を背かれる。
「いやんじゃない!朝のお母さんの分を分けてもらったぞ?」
(確か、ここの辺にチューしてた。)
満足して手を振る。
「じゃあな、バイバイ空。」
「バイバイ!いっらっしゃー。」
水菜に良く似た笑顔で、水菜の真似をする息子。
満足して、部屋に戻った。
12時になり、倉田にも休憩に入る様に言い、ソファに座りお弁当を開ける。
ランチ会議など急に入って食べれない時も、もう誰にもお弁当は譲らない。
夕食に持って帰って食べる。
水菜は気にしなくていいと言うけど、水菜のお弁当を真が捨てる訳がない。
結果、二人で半分ずつ食べたりする。
だから最近は、食べれなかった時点でメール。
『夕飯にお弁当食べるからいらないよ。』
その一言で、水菜は軽い夕食を準備してくれる。
「お腹壊さない?」
笑って、一緒に食べてくれる。
二段のお弁当箱とは別にタッパーが入っている。
「野菜から食べて…だろ?分かってます!」
子供が二人になり、水菜は益々、健康志向。
真の健康には特にうるさい。
が…愛情、と思うとにやける。
タッパーを開ける。
水菜、キャベツの生サラダ、上にゆで卵が乗っている。
ドレッシングは手作りがかけてある。
「いただきます……。」
水菜の事を考えながら、水菜のサラダを食べる。
(ウケ狙いか?)
ちょっと笑い食べたサラダは…。
「うまっ!これ、ドレッシング旨いな。水菜、研究してんだな…。」
父親が野菜が苦手な所為で、それを見ている空は好き嫌いなし。
反面教師だと、水菜には言われている。
毎日が幸せ。
水菜が笑って、空が笑う。
そのうち、あり得ないほど可愛い笑顔を真夏はきっと見せてくれる。
水菜、そっくりの笑顔で…。
今はそれが楽しみで仕方がない。
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