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あなたになりたかった
翌日、梨香と倉田、女性同士では冷静さに掛けると梨香が判断して、第三者として高橋元秘書課室長が話し会いに参加した。
水菜は、梨香がまずは話を聞いてから、呼ばれる事になっていた。
「おはようございます。スケジュール確認をさせて頂きます。」
朝のスケジュール確認を、久し振りに一人で真の前に立った。
今頃、会議室で何が話されているのか、気にはなっていた。
「ベターからの依頼ですが、高橋さんのチームが少し時間がかかりそうとの事です。本日のチームごとの会議で各チーム進行状況確認をした方がいいかと思います。システムBチームは納期が決まっていますので、特にチーフに念押しは必要かと…。会議は午後14時からです。資料は揃えて13時までには机の上に置いておきます。」
「うん、分かった。久しぶりだな。会議でいちいち聞かなくていいのは。
システムBチームが遅れているなら、手を貸して納期を守る。
高橋の進行状況次第では後半手伝いに入った方がいい、そういう事だろう?」
「はい。余計な事でしょうか?」
水菜は自信なく聞く。
「昔の俺は会議っていうと聞く耳持たずで怒鳴ってたしな…。
予定を聞く事もなかった。必要だった、水菜のフォローは。
言わないのもいるし、出来ると思ってな?
会議の前のプチ情報は有り難い。」
「はい、では午前はお好きなお仕事を進めて下さい。失礼します。」
「水菜〜!」
向きを変えた水菜を真が呼び止める。
「はい?」
振り返ると、モニターに白黒の切り抜きが貼ってあった。
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