チューリップ

へんか

そしてとうとう成人式当日。
必死に、しかしそれでいて露骨でないように彼女を探した。

しかし彼女はどこにも見当たらなかった。
成人式に出ない人もいる。二次会や三次会から参加する子もいる。
そういった話しは聞いたことがあったので彼女もそうなのかと思い、再会は半ば諦めていた。

式を終えて会場の外に出る。
みんなめいめいに写真を撮っている時、ふと周りがスローモーションになった。
彼女がこちらを見ていたのだ。

服装は想像していたような振袖ではなくスーツであった。
髪もおおよそ、女の子が成人式の為に伸ばしたような感じではなく、いわゆるアシンメトリーというもの。

そこらの男の子よりビシッときめていたが間違いなく僕が恋し、愛してやまなかった彼女だった。