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「すごく濡れてるけど……触らない方がいい?」
侑一さんに耳元で甘く囁かれて、顔がもっと熱くなる。タイツの上からそこを優しく撫でられて、自分の中からとろりとしたものが溢れてくるのを感じた。
──このまま、してほしい。でも、時間が……。
壁時計を見ると、あと30分と少しでここを出なければいけない時間に差し掛かっていた。
「やめよっか?」
触ってほしい──なんて、恥ずかしくて言えない。わたしは、太腿やその奥を撫でる侑一さんの腕を掴んで、彼の顔をじっと見つめた。
「……その顔はずるいな」
侑一さんは苦笑して、わたしのタイツを膝くらいまで下げる。ショーツの中に指が入ってきて甘い水音を立てると、思わずため息混じりの声が漏れてしまった。
「すご……触ってないのに、こんなに」
「い、言わないでください……っ」
「ほら、紗友里、ちゃんとかわいい顔見せて?」
「あっ……ん、やぁっ……」
あっという間に、彼の長い指が熱くなったわたしの中に侵入してくる。あれから何度か身体を重ねているからか、わたしのそこはもう、こういうことにすっかり慣らされてしまっていて──。
「気持ちいい?」
「は……はい」
わたしがこくんと頷くと、侑一さんは嬉しそうに微笑んだ。──笑い皺、可愛いな。こんなときなのに、きゅんとしてしまう。
「もうちょっとしたら、出よっか」
わたしの額にキスを落としながら、侑一さんが言う。その間も絶えず与えられる甘い刺激に、わたしの身体はどんどん反応してしまって。
「最後までは、今度にして……」
「侑一さんは……大丈夫、ですか?」
──やだ、わたし、なんてことを。理性が全然働いていないのか、いつもは絶対に言わないような大胆な発言が口から滑り出てしまった。
「……え?」
侑一さんがぽかんとした表情で、わたしの顔をじっと見つめる。
「その……最後まで、しなくても」
どうしたんだろう?って思ってるよね。でも、わたしの身体は──侑一さんが欲しいって言っている……みたいだ。
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