marbleーマーブルー

#1 出会ったふたり

──お姉ちゃんは、昔からこうなんだから。
わたしとは違って、あっけらかんとした性格。何かとネガティブなわたしは、お姉ちゃんのそんな考え方に助けられることも多い。

「服、買いに行こうかなぁ……」
一人になったリビングで、ぽつりと呟いた。今日はバイトも休みだし。
せっかく一緒にお出かけするんだから、少しでも可愛くしていきたいな、なんて……。
「まず、派手じゃなくて地味じゃない可愛い服と……あと、新しいリップも買おう」
そうと決まったら早く出かけよう。心が弾んで、わくわくする。こんな気持ちになったこと、今までなかったな。

どこに行くのかな。街をブラブラ？カフェ巡り？動物園とか？あ、古賀さんの私服ってどんな感じなのかな。
どんどん妄想が膨らんで、「ふふふ……」と怪しい笑いが込み上げてくる。
来週のことなのに、今からこんなに楽しみでどうしよう。考えただけで、いてもたってもいられない気持ちになる。
あーあ、早く来週末にならないかな──。