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──Side 侑一
──本当に、めちゃめちゃ可愛いな。
俺は隣を歩く前島さんをちらりと横目で見て、今日すでに何十回も思っていることを改めて思う。
今日は、暗いブラウンの髪をゆるく巻いている。少し高めのサンダルを履いていて、身長は俺の耳たぶくらい。花柄のワンピースが華奢な彼女にとてもよく似合っていた。
先週の合コンで前島さんが俺の前に座ったとき、これが一目惚れか、と思った。
それくらい見た目がドストライクで──自分でもびっくりしたくらいだ。
すごく綺麗な子だという第一印象だったけど、今日はなんだか可愛らしい雰囲気だ。先週は仕事帰りだったから、服装も化粧も少し大人しめだったのだろうか。
「あの、買い物付き合ってくれてありがとうございました」
休憩がてらカフェに向かう途中、前島さんが口を開いた。
「よかったね、欲しかったの買えて」
時間かかってしまってすみませんと前島さんは言ったけど、雑貨屋で一生懸命選んでる姿がすごく可愛かった。ずっと見ていられると思ったくらいだ。
──俺はアホか、いい歳して。
年甲斐もなく浮き足立っている自分がいる。女の子と二人で出かけること自体久しぶりだもんな。
前島さん、俺なんかと一緒にいてつまらなくないだろうか。楽しんでくれているならいいんだけど。
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