#2 はじめてのデート、そして

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──Side 侑一 「わぁ、おいしそうなお酒がたくさんある」 どれにしようかな、と嬉しそうに選んでいる姿がすごく可愛くて、店予約しておいてよかった、と心から思った。 先週の合コン会場から割と近いダイニングバー。俺自身はこういうお店に疎いから、川田に相談して教えてもらった。 「え、お前もしかして、あの子とデート?前島さんだっけ?マジかよ、あんな可愛い子と古賀が」 「うるさい、いいから店教えてくれ、いい感じの」 川田は俗に言う「チャラ男」ってやつで、お洒落で女の子が好きそうなお店に詳しい。 いつも「女関係ちゃんとしろよ」と川田に言っている俺が、あいつに助けてもらうことになるとは思わなかったな……。 「すごくおいしいです。このサングリア」 前島さん、喜んでくれてる……よな?川田さまさまだ。 「それはよかった。ここ、ビールの種類も多くて俺も選ぶの楽しいよ」 「古賀さん、すてきなお店知ってるんですね」 「いや、えーっと……まあ、この歳になればいろいろ行ってるから」 ──何を言ってんだ、俺は。女の子と二人で飲むのなんてものすごく久しぶりのくせに。 前島さんと一緒にいると、何かとカッコをつけてしまう。ちょっと年上だからっていう謎の意地なのか、自分の好みの女の子だからなのか、それとも、前島さんにどんどん惹かれているからか──。 ……一番最後の理由かな、やっぱり。 運ばれてきたサラダを取り分けている前島さんを見ながら、密かにそんなことを考える。
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