#2 はじめてのデート、そして

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「取り分けてくれてありがとう。先週も思ったけど、前島さんは気が利くよね」 「いえ、そんな、全然です」 前菜のサラダを取り分けたあとにマルゲリータピザが運ばれてきて、「これは好きに取って食べていいからね」と古賀さんがすかさず言ってくれた。 「前島さん、1年目?2年目?それくらいのときって先輩方にいろいろ気も遣うよね、飲み会とか」 3年目ですと答えかけて、いや違う、社会人歴のことだ、と気付く。 ──そうだ。今日、きちんと正直に言うって決めてたじゃない。今言わないと、きっとタイミングを逃してしまう。 「て言っても、俺だってまだ6年目だけどね」 「……古賀さん、あの」 よし、今だ──わたしが覚悟を決めた、そのときだった。 ギャハハハハ、とものすごい笑い声がして、わたしも古賀さんも思わず声の方向を向く。 派手な感じの男女のグループだった。たぶん、わたしと同じくらいの歳だ。 「……なんだ、びっくりした。大学生かな」 「そう……ですね……」 「大学生ってみんな楽しそうだよね。いや、何年か前まではそうだったけどね、もう全然縁のない世界だからなぁ」 でも、前島さんはまだ卒業してちょっとしか経ってないか、と古賀さんが続けたので、わたしは思わず言葉に詰まってしまう。
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