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「今日は遅くまでありがとうね。家まで送っていけたらいいんだけど、逆方向だもんなぁ」
「いえ、こちらこそ……ご馳走になってしまってすみません」
お店を出たのは10時前だった。あの後は世間話や古賀さんのお仕事の話が続いたので、少し心を落ち着けることができた。
俺が誘ったから、と古賀さんがお会計をしてくれて、時間も時間だし今日は解散にしようかということになったのだ。
「じゃあ、また連絡するね。気をつけて帰ってね」
「はい。古賀さんも」
使う路線が違うので、一緒に改札を通ってから分かれた。
少し歩いてから振り向くと小さく古賀さんの後ろ姿が見えて、胸がきゅっと苦しくなる。
今日ずっと一緒にいて、確信してしまった。
──わたし、古賀さんのことが好きだ。
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