#2 はじめてのデート、そして

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初めて会ったときから、優しくて穏やかな話し方や笑顔に惹かれていた。 人見知りなわたしにいろいろ話を振ってくれて、引き出してくれて、聞いてくれて。 わたしが今まで出会ってきたどの男の子とも違う「大人の男の人」──。 ドキドキが止まらない。男性に対してこんな気持ちになったのは、きっと、生まれてはじめてだ。 「心配だから、家に着いたら連絡してね。今日は本当にありがとう」 地下鉄に乗った瞬間、古賀さんからのメッセージが届いた。胸がまた苦しくなって、さっき気付いたばかりの気持ちが溢れてくる。 この気持ちを、どうしたらいいのかまだ分からない。直接伝えるだなんて、きっと夢のまた夢。 今日、古賀さんのいいところをたくさん知った。まだ2回しか会っていないなんて嘘だって思うくらい、安心して一緒にいられた。 でも、ずっとドキドキが止まらなくて──笑ってくれると嬉しくて、胸が苦しくて。 この気持ちを、なかったことになんてできない。対象外になっちゃうなんて、やだよ。
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