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プロローグ
桜が舞い躍り始める、4月。
今年から私も高3だ。
~~~~
「よーーーっ糞餓鬼共ォォ!!進学とは生意気だなぁ!!」
………今、全校生徒が同じことを考えただろう。
"何だコイツは"と。
今は、始業式の最中だ。
クソ校長がダラッダラ話してやがるから、私がマイクを奪ってやった。
「ちょっ…君!困るよ!席に戻りなさい!」
「私は君じゃねぇ!『霜夜裕』だっ!!覚えておけ!」
霜夜裕。その名は、この霜隠高校の者なら誰もが知っているであろう喧嘩狂。
所謂"女不良"だ。
そして私がマイクを奪った理由は、もうひとつある。
それは…。
「今ここに居る3年に告げる!!明日!私が率いる最強の団への入団試験を行う!!合格者は4名!校庭で行うから覚えとけ!!」
…まぁ、これだけじゃあ参加する奴は少ねぇかもしれねぇ。
だから。
「ちなみに、合格者には50万円の賞金付きだ!」
うおぉおおぉぉおぉっっっ!!!
…と、歓声が上がった。
人なんて簡単に操れるわ。
クックック………。
~下校中~
フッフッフッ………
最強の団か。楽しみだなぁ。
どんな奴が来るだろうか。
「…裕、顔にやけすぎじゃないの」
「どわっ!?!? き、急に出てくんなよ…」
「…結構前から居たけど……てか、恥じらいってのを持ちなよ。始業式であんな大声で……幼馴染みの私まで恥かくんだから」
「…それは…悪かったよ、 静…」
コイツの名前は、『海零静』。
私の幼馴染み…なんだが………。
「ところで裕」
「な………何だよ」
「眠い」
そんな無表情で言われても。
…そう、コイツ。
感情を一切顔に出さないのだ。
何を考えているのかさっぱりわからない…。
「…お前もう少し感情を表に出したらどうだ…?」
「………こう?」
「そ、その顔はやめとけ………ww」
………はぁ。
…全く読めねぇ奴………。
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